22-27 さば缶展、終了しました!

22-25日
イラスト仕事とFANKA、DVDで過ごす。
「実弾生活8」が延期になったということで、
本当に全てのスケジュールがぽっかりとしてしまった。
その間にgeorgeさんからいただいた新企画の原稿を上げる。
海外でのイベントに出品するためのマンガを描きました。

考えてみればマンガを描くというのは初めてだった。
2010年の個展で星座のマンガを描いたが、
あれはどっちかというとマンガ風のコマを使った一枚イラストで、
今回は4ページとはいえ、オリジナルのお話である。
改めて思うが、マンガは時間がかかる。自分の手がおいつかず、
根っこが出来ていないのを痛感する。
とはいえ、小さいながらも何かしらの一歩を踏み出したということで、
イベントの詳細が出たらお知らせします!

DVDは「必死剣 鳥刺し」「インセプション」「ATOM」「フローズン・リバー」を。

「必死剣〜」は時代劇。藤沢周平原作の短編を映画化。
トヨエツの安定感バツグンのたたずまいから、
ラストの殺陣のよろめき芝居に繋がるのがたまらない。
本当、ナガブチのキックかというくらいのよろめきがいい。
カンシャク持ちの殿様を演じた村上淳も最高!
小島剛夕のマンガにまんま出てくる神経質な殿様ぶりだった。


インセプション」。
記憶泥棒が他人に記憶を植え付けるために、
他人と共有できる夢の世界を構築し、
ターゲットをそこに落とし込む…というSFアクション。

「それは実はあれ、あれの実はこれ」という、
これでもかこれでもかの脳内ミルフィーユを堪能。
エンディングの音の不穏さとかが実にいい。
確かなものが何もない話なのに、あんなに手に汗握るのだから、
いや、おそろしく面白い映画である。
記憶植え付けのターゲットである、ロバート役のキリアン・マーフィーは片桐仁さんに似ているなぁ。


ATOM」はCGアニメ。鉄腕アトムのハリウッド&香港によるリメイク。
天馬博士や御茶ノ水博士、手塚先生を模した研究者など、
冒頭での手塚作品キャラを上手い形でCGキャラクターにしているが、
30分くらい経つと一気にオリジナルの顔をしたキャラクターが増え
(またこれが本当にどうでもいい顔をしている!)、
それがメインになってストーリーにからんでくるのだからたまらない。

アトムの話自体が、やさしい言葉を出しながらも、
結果、仲間であるロボットをガンガンぶっ壊すというものだけに、
ロボットがどれだけ権利を認められるのか…というラインになかなか
話を置けない部分はあるが、
それにしても落としどころに迷ったのだな…と思ってしまうストーリーだった。

コメディリリーフである「ロボット革命同盟」のポンコツ3人組が
アトムよりもイキイキと描かれているのが気になった。
あれがメインで見たくなりますね。


フローズン・リバー」。
トレーラーハウスに住む2児の母が、
新しい家の頭金を夫が持ち逃げしてしまったことで、
凍った川を車で渡って、トランクに入れた不法入国者を運ぶという
仕事をすることを決意するが…という話。

いやー、重い!重いですよ!!
子供の晩飯にポップコーンを食べさせ、パート先で2年働いているのに、
当初の約束だった正規雇用を店長からアッサリ反故にされるなど、
徹底的な現代アメリカの貧乏描写と、
出て行った父親に感情を寄せる15歳の長男との関係。
そしてヤバい仕事をする流れを作った先住民族の女性
ダンプ松本似。彼女の困窮もハンパじゃない)との関係。
「これをするしかねぇ・・・!」という状況の追い詰められ感を、
実に丁寧に描き、観客を追い詰める。

根っこの状況は変わらないかもしれないが、
救いがまったくない話じゃないからまぁよかった…と思わせる
落としどころもリアル。
北の国から」などの追い込まれ人間ドラマが直視できない自分としては、
心がゾワゾワとしっぱなしの90分だったが、やはり観るとグッとくるんですよね。

数本借りるときはこういうのを1本しのばせることにしている。
好みじゃなくても観る姿勢はこのトシになってからはより意識的にしなくては。


26日
秋葉原でARの取材。あれこれと歩き回った充実感。原稿も早くとりかからねば。

27日
経堂「さばの湯」にて縁景展のクロージングパーティー
よしき、仲根も遊びに来たので3人でのトーク
仲根のネタなどもして盛りだくさんに。

イラスト展示は僕の絵が「さばの湯 賞」をいただきました。ありがとうございました!
前回の鯨カレーでは「スロコメ賞」をいただいたので、
「スローコメディージャンルに強いイラストレーター」として、
プロフィールに堂々と描いていこうと思います。

この震災で被災された木の屋石巻水産の方々も来られ、
義捐金、救援物資を渡すこともできてよかった。
発起人の一人でもあるシラーさんの中締めのご挨拶に感動。
そう、あのパーティーに参加した全員で、人の笑顔をひとつ戻すことができたのだ。
これからまだまだ大変ですが、長いスパンで支えあっていきたいと思っています。