南野信吾さん
週末は夫婦で出かけていて、京都で過ごした。
帰りの新幹線のニュースで「物騒な事件が起きた…」と思ったが、
その詳細を聞いて、月曜日から終始呆けてすごす。
(今がまともになっているかというとそうではないが)
大阪の通り魔事件で、南野信吾さんが被害に遭われ、帰らぬ人となってしまった。
南野さんとは、ワタナベカズヒロさんとの縁で出会った。
5、6年前にワタナベさんのライブがあり、
アルバムジャケットを描いた僕も展示などで出るというので、
打ち合わせやら飲みに行ったりした。
元ミュージシャンということで、演者の気持ちを考えながらの
プロデュースする側として発する明確なアドバイスがありがたかった。
自身のバンドではフロントマンをされていて、
そうした立場で色々なことを経験しておられたのだな…
という部分がほろりと見えて、一層染みた。
何よりも南野さんは豪快に笑う方で、その姿が僕はとても好きだった。
直接の仕事をすることは、ここ数年なかったけれど、
ニトロプラスやZIZZ STUDIO関係のライブでいつも会っていたし、
そのたびに大きな笑顔を見せてくれた。
当時の状況やら何やらというのはいやでも耳に入ってくる。
近しい人が、あのような歪み、狂った悪意に巻き込まれた。
というのは初めてだった。
怒りがこみ上げた。が、かなしみがそれを上回るわけはない。
悲しい。ただ、ただ悲しい。
南野さんが企画したライブツアーは続行される。
「みなさんができることは楽しむこと、それが全て」。
ツイッターで見た言葉だが、まさに。と思う。
南野さんが企画したツアーを、アーティスト、スタッフ、観客のみなさんが楽しむ。
ライブツアー、楽しもう。
終わった後はかなしくなると思うよ。
また、日々が過ぎても突然くるものでもある。
でも、でもですよ。
並んで入って、スタッフの姿を見て、
ステージに入って飲み物でも飲んで、
歌を、演奏を聴き、その場の全てを感じて、叫んで飛び跳ねよう。
「故人はこう思っていたに違いない」というのはなかなか言えるものじゃない。
でも、これに関しては絶対にそうです。
あの人は、みなさんに楽しんでもらおうとして作ったのだから。
くそ、悲しいな。長くなりましたが、終わります。
謹んで、南野信吾さんのご冥福をお祈りいたします。
南野さん、高田馬場で飲んだ酒は、最高にうまかったです。
僕も大きく笑っていこうと思います。