16-18 岩塩は涙で作る

jitudan2006-10-19

16日
DVDで「ピンク・パンサー」を。
スティーブ・マーティンによるリメイク作。
僕はこの俳優が大好きで、品のある奇怪さとでも呼ぼうか、
しれっとした顔とヘナヘナした物腰の組み合わせがたまらない。


そんなマーティン扮するクルーゾー警部
フランス訛りを駆使し、ちょっとつついた地球儀が
ゴロゴロと転がってゆき、自転車に当たって
交通事故を引き起こす…
と、ドバタバタとしたアクションを90分間見せてくれるが、
ひいき目に見ても「弱い」。完全に毒を抜かれている。


それはもう冒頭から伝わるわけで、クルーゾーの投げた物が
おばあさんの顔面にぶつかって激しく倒れるシーンなど、
「ピューン!」というおかしなSEと
おばあさんのびっくり顔のアップを入れるものだから、
クルーゾーのバカげた行動に巻き込まれるおばあさんの
かなしみが切り抜かれてしまって笑えないのだ。


このあたり、80年代ヘッポコ刑事コメディー
「フライング・コップ」や「裸の銃を持つ男」シリーズと
比べてみると、ドレビン警部のパトカーの
ブレーキのタイミングが遅く、人がハネられるシーンなど、
後ろ向きになって表情を読ませない人間が
ポーンと飛んでいったり、ビルから落ちた人間の叫び声が
遠くで「ウワ-」と入っていたりと、
人を人とも思わないクールな笑いどころを見せてくれる。


そんな感じでアクションの牙は抜かれ、
英語に暗い僕はクルーゾー警部おフランス訛りの面白みが
通じきれないものだから、
女性秘書役のエミリー・モーティマーがかわいいなぁ、
そういや、「Dearフランキー」でもいい感じだったなぁ…
というせつない感想がもれる映画だった。


そう、「ピンクパンサー」シリーズといえばの
オープニングアニメーションだが、
ちょっとカートゥーンすぎるというか、同シリーズに漂う
「いかにもなオシャレさ」が減っていたようだった。


それもそのはずで、特典映像についていた
「もうひとつのオープニング」を見ると、
完全3DCGにしたピンクパンサーが、
宝石がちりばめられている街を走る…
という艶やかなオープニングが隠されており、
監督の音声解説を聞くと、
『これ、ホントにすばらしいオープニングで、
ホントにいい内容で信じられない映像だったけど、
ファミリー向けの作品の方向性に合わせて
違うオープニングを作ったんだ…
いや、もちろんそっちもいいけど、見てよ、このすばらしい3Dを…』
と、未練タップリなトークが入っていて泣けた。


17日
「MOTT GALLRY」に行き、
プロジェクターにくっつけていたノートパソコンを取りに行く。
ついでにあいしょうからフォトショップテクニックを
教えてもらおう…と、デスクの隣で起動すれば、
画面に真っ赤な線が入ってチラチラと動き、
ファミコンソフトをそのまま引っこ抜いた
テレビのようになってしまい、
ここにきてノートパソコンが一台つぶれてしまう。
無念のまま帰宅。


18日
イラスト仕事などを。
腰は治ったが、今度は妙に足が痛む。
これが世代による体調の変化か…と、
できるだけ30という単語は使わずにいたいものですね。

  • 写真

味もよし、「一振りでトレンディー」など、
ラベルに書いてある人をバカにした文句もたまらない
クレイジーソルト」を今買うと、
ミニチュアのソルトケースが付いてくる。
買わざるをえなかったが、
前に買ったのも使いきってないんですよ。