2-4 年の飾りは光学ディスク

jitudan2007-01-05

2日
年賀メールも一段落したところでDVDを。
年越しソバのダシは雑煮にバケたが、
季節柄ということで「立喰師列伝」を。


無銭飲食のプロフェッショナルといおうか、
「立喰師」のシノギが戦後の動乱期や安保など、
時代の変遷とともに語られる・・・というあらすじは
正直どうでもいい。
押井守監督の実写作品なのである。

やはり、「立喰師」の活動内容云々はあまり語られず、
ウンチクを述べて店を出るという無銭飲食の仕方の
バリエーションはやはり少ない。
といおうか、冒頭のキャラクターのシノギの内容を
ほとんどナレーションでしか説明していない。

この時点で、簡単な事柄を難しい言葉にして延々と述べる、
悪ノリ押井節を本当に腹いっぱいに喰わされることを
覚悟しよう。


もっとも、「押井の実写はファンでも地雷」
というのは有名な言葉。
内容に言及するよりも、新春らしいかくし芸、
いや、酒にまかせた地元トークのように
ユルく観て楽しむのが吉である。

でも、これはタイトルに「アニメーション」と
付いているから、あまりめったなことは言えないなぁ。


その後は「ヒストリー・オブ・バイオレンス」を。
デヴィット・クローネンバーグの新作。


アメリカの田舎町でひっそりと暮らす男(ヴィゴ・モーテンセン)の営む喫茶店に偶然強盗が入る。
自分は銃を突きつけられ、同僚の女性店員は
今にも殺されそうな状況で、男はとっさの機転で
窮地を脱するが、その手際はどう考えてもシロウトのそれではなかった…


と、冒頭部分を書くと「すわ、セガールの新作か」という
痛快なアクション風味だが、さにあらず。
静かな音楽に合わせた和やかな日常描写の中、
あくまでオフビートなムードを漂わせる中、
人を殺すときだけはノド仏へ正確に拳を叩き込み、
被害者が血の泡を吹く姿を別カットで見せ、
頭を撃ちぬかれた男は銃弾が頬を抜けて歯を覗かせている…と、さすがのクローネンバーグ節、
あくまで痛点のみに絞った暴力描写が恐ろしすぎる。


結局、なんで喫茶店の店主がこんなに人を殺すのが
うまいのか…というのがバレてからの展開もまた恐ろしく、
妻や子供からの不審、身にふりかかる暴力の連鎖、
そして進化する殺しの手順を静かにたっぷりと描くという
新ジャンル「オフビート・ショック・シネマ」。
実に変態的で感動的な映画だった。

主演のヴィゴ・モーテンセン、いい役者ですね。
口をゆがめるとドルフ・ラングレンにも似ているところが
アクションの信憑性を高めるのだろうか…というのは蛇足だな。

しかし、DVD版だけだろうか、
ラストの「字幕スーパー ●田●男」の字幕の入れ方が
おかしなタイミングで萎える。あれ、くやしいなぁ。


3日
ネタ作りなどを。
合間をぬってちょこちょこと「エウレカセブン」の続きを。
相変わらず主人公の少年の
まわりから邪険にされている感が強く、
少しかわいそうになってくるのだが、
何せ50話近くある作品である。
こうした「居場所なき少年」を
たっぷり描いてからどう料理するか…
というのが期待できますね。


と、テンションが上がったついでに「ブレイブ・ストーリー」を。
少年が運命を変えるべく別世界に行って友達と対峙して
云々というお話なのだが、
その別世界に感情が芽生える前に世界がピンチになったり
なんだりするので、こっちはいまひとつノレないまま
観てしまう。

僕は原作を読んでいないのだが、
テレビシリーズのダイジェストを観たような感触だった。
全39話で観たいですね。

  • 写真

HMVでCDが安く、何枚か気になっていたものを。
手前の「キーン」、一曲目があまり好みじゃなかった…
と、試聴したときに思っていたが、他の曲はたまらねえ!
ブックレットも最高です。