15-19 暗黒ウルルンマッドメン

jitudan2007-04-19

15日
古本屋で諸星大二郎の自選短編集
「汝、神になれ鬼になれ」を手に取り、読んで衝撃。


中学生の頃だろうか、究極の毒を作るために
毒殺された弟子の恨みのパワーを使う話と、
人間が脱いだ靴下のようにペロリと裏返る
話の短編を立ち読みし、
「ウェッ、気持ちわりい」との認識のまま
十数年経ってしまったのだが、
今日見た短編集に収められているのは、
一見の薄気味の悪さを踏み潰し、
ダイダラボッチの足跡が湖になるかのように、
圧倒的な深みと重みがあるではないか。


特に、考古学者、稗田礼次郎が(ひえだ、というのもイイ名前だ)、
方角を無視した祭りや昔のたたりをないがしろにするなど、
やってはいけないことをやった人間が遭う災難に、
「時すでに遅し」のパターンで遭遇してゆく
妖怪ハンター」シリーズがたまらない。

鳥居の向こうで鬼が踊る異世界や、
少年の顔面をした海竜などを
見開きのページで仕掛けてくるのだが、
それがババーン!といういかにもな驚きを与える感じではなく、なんでしょうね、虚脱の後に心をワシ掴みにされる光景。
久しぶりに故郷を訪ねたらかつて母校があった場所が
つぶれたパチンコ屋になっているような、
「あぁ…ひでえものを見てしまった」感がすごすぎる。


そんなわけで、店に置いてあるほかの短編集も買い漁り、
終日読みふけるのだった。
いや、いい休日でした。トイレや風呂に入るのが怖くなるが。


16日
イラスト仕事と、「ライトニング」の最終回の原稿を。
1年はあっという間だったが、おもちゃあるところに
成田あり…ということで、またこうしたコラムでお会いしたい。仕事がほしいのでこちらから会いにもゆきたい。


17日
MOTTギャラリーにて大田垣晴子さんの絵日記展を。
6年間の日々を一コマ漫画で振り返る…ということで、
ギャラリーのスペースを全て使って貼られたコマの数々。
サラリと描いたものが本当にサラリとおさまる。というのは
並のことではないのだなぁ…と、充実の中で思う。


その後、あいしょうとともにメシ。
そこから中野坂上のカフェに行き、
合流したDONAさんと共に自分の展示作品を見せながら話を。
今年の動きはキテいるぞ・・・と企むのも楽しく過ごす。


18日
穴の抜けた「子連れ狼」とまだ見ぬ諸星本を探す。
そしてカレーもまた続行中。
新宿西口の「夢民」。
大量の炒め野菜と卵、そしてベーコンに混じって
少なめルーがライスの真ん中にたまっているカレー。
そして一呼吸置くと、またも具とルーが入ったポットも来る。
なるほど、依存者が出るのも頷ける独自性。
サラっとしたカレーが好きな自分もまたハマる。
しかし、量が多かったなぁ。


19日
新宿ゴールデン街の「QUNAI BROS.」へ届けものを。
実はお世話になっているQさんがお店をオープンし、
そのドアプレートを作ることになったのだった。

巨大スクリーンでファミコンも楽しめるバーということで、
新宿での選択肢がまた増えることになりそうだ。
オープン三日間は飲み放題とのことで、アツくなりそうです。

  • 写真

ドアプレート。
アップで見るといつものデジタル切り絵に。