15-17 ミート・ザ・ビッグ錠。測定不能のそのスケール。

jitudan2007-06-17

15日
昼、自由が丘で開催されているビッグ錠先生のイラスト展に。


コミュニティの情報で「金曜日には本人が在廊…」
となっていたため、木更津行きの途中で立ち寄ったのだった…
と、軽く書いてしまうが、ご本人に会えるかもしれない
というだけで、緊張のあまり足がすくむ。


小学生の頃、床屋でたまたま「味平」を読み、
スパイスの調合で麻薬と同じ効果を生み出す
「ブラックカレー」の洗礼を受けて以来、
本屋で親にねだってそのまま「スーパー食いしん坊」に続き、
「塾師べんちゃん」の勉強法を実践したものだった(成績は上がらなかった)。


あの頃、床屋には、大人が読むマンガや
古いマンガが虫食いでバラバラと置いてあり、
待ち時間に読むことで、世代が違う作家の方を
知ったものだが、その「新しいマンガとの出会いを喜ぶ」
という感覚は間違いなくビッグ先生のマンガから始まったのだった。



自由が丘駅からの足取りもおぼつかず、
あっちフラフラこっちフラフラと、
ジャック・スパロウ的な足取りでギャラリーへと向かう。


果たして先生はいなかったが、
98年、体調不良をきっかけにニューヨークのハーレムに
アパートを借り、毎日街を歩き回り、
ストリートパフォーマーの姿をスケッチしながら
現地の若者と酒盛りをして交流を深める…
という、一見の脈絡のなさだが
とにかく血をたぎらせてくれる展開は、
まさに先生のマンガの如しとという、スケッチシリーズを楽しむ。


地元の新聞紙にそのままマジックで描かれたイラストの
イキイキとした様子といったら!
本当、笑顔をいただける世界である。


たっぷりと一回りした後、芳名帳に名前をと、
ペンをとった時だった、正面の窓から階段を昇る一人のオジサンの姿が…ゲーッ、ビッグ先生!


扉を開けて目が合い、「いらっしゃい」のお言葉に
「アウアウ」とうろたえていると、
後に続くのが「焼酎、どうですか?」というから、
この強引な展開もまさにビッグワールド。


お言葉に甘え、昼から先生と焼酎を飲み飲み、
貸本時代や、大阪でのデザイン事務所時代のお話を伺い、
そして今回の作品の解説を受けと、
「死ぬ前にやりたいことが多くてネ」と笑顔で語る
ビッグ先生のエネルギーに触れ、至福の時間をすごさせていただきました。


ギャラリーを出た後の僕の足取りは、酒と高揚感で空中に浮いてたよ。


*「ビッグ錠展」
自由が丘の「アートギャラリー&ショップ キアン」にて、6月24日まで
http://www.enjoytokyo.jp/OD004Detail.html?EVENT_ID=67557


16日
ロフトプラスワンで「時代劇の間違った見方」にコメンテーター出演。
とはいっても、いつもながら出現する脅威の映像に喜び、
驚くというポジションでたっぷり楽しむ。


高速で走るクジラ舟で悪人の家に突っ込み、
モリで刺しまくるという「破れ奉行」が特にすごかった。
いや、これは次回も実に楽しみですね。


その後はMOTTギャラリーへDMを取りにゆき、
SphinkSの映像展「まゆみ」を。
2Fに幕を張って作られた全方位映像空間「まゆみ」の体内は、酒が進むことこの上ない陶酔の世界。
楽しませていただいた後、ロビーで酒をご馳走になりながら夜まですごす。


来週の日曜日までということで、ぜひチェックのほどを!
僕も今度は酒もって遊びにいきます。
http://www.mott-factory.com/gallery/


18日
イラストなどを。
その合間にDVDで「パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト」を。


ジョニー・デップ演じるジャック・スパロウ
キャラクターのどうしようもなさに磨きがかかっており、
羽目板に逆さから突っ込み、鉄棒に頭が当たって
「カーン」とした音とともにぶっ倒れるなど、
アクションシーンに爆笑。


本当、あんなに小ずるくて魅力的なキャラクターもそういない。
珍奇にて毒のごとし、だが憎めない…考えてみれば
ねずみ男」的なんですねこのキャラクターは。

  • 写真

ビッグ錠先生と。
図々しくもポストカードブックを献本させていただきました。
色々と感想をもらえてうれしかったです!