jitudan2008-06-24

「山田の書きもの展」も残り一週間です!
水、金曜日の夕方以降と土曜日の夕方まで、日曜日は終日在廊しておりますので、お待ちしております〜。


「山田の書きもの展 -山田の書きものとみなさんの描きもの-」
曙橋 MOTT GALLERY 2F 入場無料
13:00〜21:00
最終日は19時まで。月曜日休廊。
URL http://www.mott-factory.com/gallery/


21日
ギャラリーにて「山田の書きもの展」オープニングパーティー
多数のご来場にただただ感謝。
だが、初めての週末を迎え、何も知らずに立ち寄った方に
ドリンクを渡して混んでいるギャラリー内を歩いて
もらうというのも申しわけない話。
来場者数の多さに、2Fの床が抜けるか…と肝を冷やしながらも、
プロデューサー面をしながら飲みを楽しんだ。
二次会では参加作家さんに加えてワタナベカズヒロさんとも合流。
じっくりと話もできて充実の一夜だった。


22日
安田生命ホールにてホリプロお笑いライブ。
終了後、出版関係の家飲みにお邪魔する。
俳優の小山力也さんも見えられ、素で緊張。
が、そこは家飲み。くだけたムーブでコーヒー焼酎などを飲みながら色々なお話を聞いた。
しかし、「へー」「ほう」という相槌の音に
ここまで深みがある人に初めて会いましたよ。
眼福ならぬ耳福でした。


23日
ギャラリーが休みなのでイラスト仕事を。
と、あらためて「ランボー 最後の戦場」の感想を。


今作はミャンマー軍による少数部族への弾圧の中、
「何をやっても現状が変わることはない」
と、諦観を見せるランボーが、助けを求める周囲の状況と、
自分の血に逆らえず、何をやってもムダと知りながらも
局地的な破壊を尽くし、虚しい顔で去ってゆく…というストーリーである。


そう、今作は圧倒的に「虚しい」。その虚しさがいい。


映画冒頭でミャンマー軍が村人を銃殺し、
子供に思い切り蹴りを入れる実際のニュース映像を見せ、
劇中でも、水田に地雷を撒き、村人を銃で脅してその中を走らせ、
地雷を踏んだ人間を当てるというギャンブルをやっている
外道ぶりを散々見せている。
それを観てゆくうちに、ランボー視点ではなく、
虐殺を受ける村人サイドの視点が強くなっている。


撃たれ、焼かれ、殺されといった描写を散々見せ付けられ、
「もうキツすぎるわ…」と思っていたところで、
後ろからヌラりとランボーが現れ、弓矢で兵士の頭を射抜いてゆく。
すっかり村人視点になった身には、「待ってました!」という興奮よりも、何が起こったのかわからない。
人知を超えた存在がやってきてとりあえず助かってキョトン…
とした感じが強くなる。だが、これがいい。
いくら暴れ回っていても、虚しさがにじみ出ているランボーの顔に合わせて、
重機関銃で人の足が吹っ飛び、腹に穴が空く、きわまる人体破壊描写。
村人視点でこの超暴力を呆然としながら眺めるのが今回の「ランボー」である。


プライベート・ライアン」のラストで爆撃機が来たときみたいな「あ、とにかくこの状態が終わってくれるのか…」
という、安堵していることにさえ気づかない感じが数十分続くといおうか。


新田五郎さんがランボーの感想で「鬼神のような存在」と書いていたが、
今回、前作のように傷口を自分で止めたり拷問を受けたりと、
ランボーが傷つく描写がほとんどないというのもポイントか。
それがアクション映画におけるキャラの無敵感というよりも、
人知を超えた存在の方に寄っている一因と思った。


前作から20年。スタローンも60を超えているが、
アクション的に衰えた感じがしなかったのもよかった。
もちろん、滝つぼに飛び込むなどのスタントアクションの
代わりに人体破壊となっているのだが、
走るスタローンのスピード感は、
気持ちのいい編集と合わせて映画上ではまったく衰えを感じない。
弓矢の腕についてはむしろ上がったといえる。


そして対人地雷がありえないほどの大爆発をひきおこすなど、
時折挟まれるあからさまな「映画のウソ」も実にいい。
「俺は自分が何なのか知っているはずだ・・・」
と、モノローグを入れながら刀を鍛え上げるシーンも最高だ。
こうした力感あふれるベタな描写と組み合わせて、
ランボーの天災のごとき超暴力を村人視点で感じながら
スクリーンの中に入っていってほしい。

そして今のミャンマーには当然、ランボーはいない。
それを考えるとほんとうに、虚しい。


*新田さんのブログでの感想は必見。
・ふぬけ共和国「映画 ランボー 最後の戦場」
http://funuke01.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/post_4de0.html#more

  • 写真

オープニングパーティーでプレゼントをいただきました。
僕の絵によく出てくるリンゴのキャラクター。
なんとなく登場させたまま名前もつけてないのだが、
こうして半立体になると愛着もひとしおですね。
ありがとうございました!