23-25 白昼のマンガ、深夜の女

23日
昼、ネイキッドロフトへ。
「月刊鶴岡法斎 特濃!マンガの話」でトークを。
先日の日記にも書いたが、最近読んでいるマンガを語るというのは、
自分にとってハードルが高い。
現在、マンガを読んでいないということではもちろんないのだが、
セリフを覚えて遊びたくなるほどの読み込みというのは
あまりなくなっており、
一週読み逃したことで落ち込むこともなくなった。


大人になると情報の取捨選択がうまくなるというが、
どうでもいいことを含めて丸ごと記憶していた脳が、
ただただ退化しているということに、ショックを受けるのだった。


そんなわけで、あらためて頭をヒネり、
最近読んだマンガの中で特に印象深い作品。
よしながふみ先生の「昨日なに食べた?」と、
相原コージ先生の「真・異種格闘大戦」に合わせて、
フランスBDなどが入ったムック「ユーロマンガ」を紹介。


「昨日なに食べた?」は、ゲイのイケメン弁護士が、
唯一の息抜きとして行う晩ご飯づくりと、
その日常にあるエピソード・・・というもの。


世のお母さんが行っていた、手際のいい晩ご飯というのは、
今の世では、特筆すべき価値のあることであるのが、改めてわかる。
料理に関するウンチクなどは当然あるのだが、
それよりも日常を描くという部分に比重を置いているので、
どこか「孤独のグルメ」的なのかもしれない。


「真・異種格闘大戦」は動物同士のガチバトルトーナメントマンガ。
ウェブで無料配信されており、現在はゴリラとライオンが一騎打ちをしている。
「アクション」で連載していた第一回目から読んでいるが、
問答無用で最高!


「自分は果たして作家として壊れているのか」という問いかけを
紙面で展開していたほどのストイックな作家が、
短いページの中でじっくり、しっかりと動物同士の戦いを
描く…という所に行き着いたのが、本当にうれしく、そして楽しい。


と、そんな話をしつつ、鶴岡さん、ケムタさんと共に
マンガトークに花を咲かせて4時間を過ごす。


あと脱線ついでに出たのだが、テレクラ漫画の巨匠、
成田アキラ先生の、バカげたエネルギーを放つ情交話の中に、
時折ものすごく叙情的なエピソードがあるのがおそろしい。
という話も(あれ、打ち上げだったかな?)。


やっぱり、ずっと続けているものがある人というのは、表現の柱が太いですよ。
「アッチの柱も太いってか〜ガハハ!」
という先生の声が聞こえてきそうだが、
そうしたダジャレの中にも、じっくりとかなしい話がある。
そういう話のベスト版とか出ないかな。

*公式サイトより。
直通電話による読者女性との会話の中、どんな遠くでも
デキそうとあれば車をすっとばすアキラ先生の情交旅行漫画。
http://www.akiragirl.com/yomikirikakoa.html

*僕イチ押しのエピソード「露天ブロでゴミ・ルック」
http://www.akiragirl.com/yomi151.html


その後は六本木にて写真撮影をし、渋谷に。
ギャラリールデコにて、「劇団、江本純子」vol.0「まじめな話」を。
半年前に貸した金を返す返さないのやり取りと、
しょうもない押し問答と返済アイディアの中に浮かび上がる二人の間柄…というもの。


江本さんが主宰する「毛皮族」の公演はまだ見たことがないのだが、
いや、これはすごい!
ハイスピードな会話に引き込まれ、
男、女関係ない人間としてのダメさを堪能。
圧迫感のある口調でバカなことを言う江本純子さんに大笑いし、
町田マリーさんの引き笑いと時折入れる凄く声の作った調子にしびれる。いや、最高でした。
来月の中旬に早くも次回公演というから、すごいエネルギーである。また観に行かねば。


その後は新宿に戻ってネイキッドの打ち上げに参加。
新田五郎さんのハマった単語トークはいつも面白いなぁ。
「ゴリラ三国志の世界では、呉とリとラの三国がある」
これはずっと覚えておこう。


24日
新宿安田生命ホールにてホリプロお笑いライブに。
「キャラ☆キング」のDVDを会場で販売したが、売れて何より。
またネタをしたいものですね。


25日
よしきと共に渋谷へ。日本映画学校時代の同級生たちと飲む。
昔話はコンサートと同じで、話せば話すだけ「待ってました感」が高まる。
卒業以来の人も来て、おおいに盛り上がった。



  • 写真

渋谷「lock up」というイベント型レストランに。
ザ・ロック」の音楽が流れ、手錠をかけられて檻に入れられて
個室で飲むわけだが、そこにオバケやジェイソンが現れるという、
「フロムダスク・ティルドーン」的な、テーマがずれた店だった。