26−28 式神とハイタッチ

26日
原宿にてポールさんのウェディングパーティーに参加。
会場の心地よさ、そしてなによりお二人のたたずまいがすばらしい。
本当、末永いお幸せを願っております!

会場で配られたプロフィール交換ツールの「POKEN」にハマる。
携帯の赤外線が発達している日本では不利な点もあるかもだが、
かわいい端末を触れ合って名刺の情報が交換できるというのは
実に便利なもの。これ、いいですね。
と同時にiphoneへのいざないもまた強烈に。
本当、欲しい気持ちは猛烈にあるが、
昔のトラウマ傭兵バイトの一件があるので、MNPは難しい。か。


27日
ZIZZ STUDIOにて「実弾生活6」の主題歌打ち合わせを。
同時に新企画の話もいろいろと。アツすぎる!


28日
ARの原稿を。
と、そう、DVDの感想だ。
マリー・アントワネット」「イントゥ・ザ・ワイルド
「トロピック・サンダー」の3本を。

マリー・アントワネット」は、スパイダーマンのMJでおなじみ、
キルスティン・ダンスト主演作。
「パンがなければケーキを食べればいいじゃない。
ケーキがなければパンケーキを食べればいいじゃない」
の格言でおなじみの彼女の生涯、ヴェルサイユ宮殿を追われてゆくまでを描いたもの。


着せる人間の仕事とプライドを損ねるため、
自分の下着を自分で着てはいけない。
というくらいの貴族の生活、それも、国の象徴の王女なのだから、
「贅沢しやがってバカヤロウ」と言っても仕方がない。
破格の贅沢も、彼女にしてみれば
ミスドの100円セールでちょっと買い込むようなものであり、
それがパッパッパという絵がわりであっさりと、軽く見せてゆく。
そしてそれがまたハマっている。


人の悩みはどんな地位にもなんだかんだとある。のは当たり前の話だが、
それにのっけて「贅沢をしてもむなしいだけ」という描写がまったくないのが面白い。
明け方まで騒いで、酒瓶片手に昇る朝日を見て「美しい・・・」と感動するのは、
ヴェルサイユ宮殿でなくとも、どれだけ貧乏でもできますからね。


しかし、主演のキルスティン・ダンスト
いくつの設定だろうが同じ年に見える。
そしてどれも老けているのかどうかわからないところがある。
永遠のちょいオバさん顔、というのも末永く、美しい。
あと、飼っている犬のパグがまたよかった。
冒頭にしか出ないが、印象深すぎる!輿入れの際に置いてゆくのだが、
贅沢三昧の時、黒パグを飼い直すというのも笑った。


イントゥ・ザ・ワイルド」はショーン・ペン監督作品。
一流大学を卒業したエリート大学生が、貯めた貯金の数万ドルをすべて寄付。
車も捨て、財布に残ったも燃やし、物質世界から逃れるように米大陸を放浪し、
アラスカ冒険を敢行しようとするが途中で餓死する…という実話を元にした映画。


と、あらすじが乱暴すぎて恐縮だが、「北の国から」の吾郎が先鋭化したような若者が、
なぜそうした無茶な冒険をしたのか…という語りの中で、
主人公の青年が本当に最高にいいやつ、
というのをたっぷり描くのがポイントだ。
道々で当座の金を稼ぐために働くが、どこに行ってもかわいがられ、
時にヒッチハイクしたヒッピーの恋人間の愛情を復活させる。
いかした女の子に迫られても、その若気を諭す余裕もある。
これらのエピソードは、亡くなった彼の軌跡を追ったノンフィクション「荒野へ」の中の、
彼に出会った人たちへのインタビューから作っているという。
道すがら出会った老人に「君は頭がいいはずだ」と問われ、
「良識はあると思います」と答えるあたり、
本当にあっちの「気の効いたこと言う文化」の凄みを味わう。
いや、映画はフィクションかもしれませんけど、実話を元にした。
というだけで味わいが違いますよ。


自分探し、というのはオブラートより薄く感じる言葉だが、
学歴、金などなど、持っているものを一度全部捨ててから行く、
ということが出来るだけで説得力が違う。ありがたみも出てくる。
あぁ、そうなるとこれは「志半ばのブッダ」か。


「トロピック・サンダー」はベン・スティラー主演・監督作。
スター競演の戦争映画が役者のエゴや制作費の兼ね合いから撮影が進まなくなり、
一計を案じた監督はメインの役者陣をゲリラ撮影の場所に連れてゆくが、
そこは麻薬シンジケートのアジトで…というストーリー。


バカまっしぐらの俳優陣が目の前で銃弾が飛び交う現実を芝居と勘違いして調子に乗る…
という設定は「サボテン・ブラザーズ」などでもおなじみだが、
それよりもバカげたラインをふやして臨んでおり、
「今」の激しさを感じる。
性器の名称を連呼するなど、戦争映画の登場人物のお株を奪う
言葉遣いをするのはプロデューサーだったり、
死体と特殊効果を勘違いしてそれをおもちゃにするなど、
ひたすらに下品なネタがふんだんに入り、
戦争映画のパロディの扱う素材のお下劣さを活かしきっていて、
設定の妙を強く感じる。特に監督の扱いは最高の一言。
ニック・ノルティも久々に観れてよかった。


  • 写真

僕のPOKEN。ネコかと思っていたらキツネとのこと。
http://poken.jp/ja/